不忍ブックストリーム 第33回「ブック・フェスタ・ベップをふりかえる」
不忍ブックストリートのUstream番組「不忍ブックストリーム」12/14放送分、別府のイベント「ブック・フェスタ・ベップ」の特集に、書肆 清貧の書もスカイプゲストとして出演、お話しさせていただきました!
(こちらの設備の都合で、音声のみ出演しています。すみません)
思っていたよりやや緊張してしまいました。用意していたほどボケられず…。
別府での印象的だったエピソードとして、放送でも紹介した「出店場所の近くにある風○案内所のおじさんがじっと私たちの箱を物色、数冊まとめ買いしてくれる(しかも選書がまたオトコマエ!)」というのがあり、この話は別府での当日の表彰式でも、その様子をごらんになっていた南陀楼さんによって披露され盛り上がりました。
その他にも、私たちが熊本に帰ってからも語りぐさにしてしまう出来事はたくさんあるのですが
中でも忘れられないのが深沢七郎の『楢山節考』をお買い上げだったお父さんと小学生の男の子。
男の子は登場した時すでに「ねーねーお父さんーガチャガチャやりたいー」と、本への興味は皆無。
それを「じゃあ本一冊買いなさい。そしたらガチャガチャしていいけん」とお父さん。さすが!
子「えー?本ー?(と、しぶしぶ私たちの箱をのぞく。お父さんも一緒にのぞく)」
父「おー、これあるやん。『楢山節考』。(手に取る)」
子「なにそれぇ?」
父「これは名作よー」私もうれしく、いいですよね、と口をはさむ。
子「ふーーーん」と、ここまでは興味無さそう。そしてお父さんのターン!
父「これはなー、お婆さんを山に捨てる話なんや。」
子「ええぇえ!? なんでぇぇぇ!?」
父「なんでって、昔は捨てとったんや。」事もなげに云い放つお父さん。
子「はああああ!?意味わからん!えぇぇ!?」
混乱状態、というかドン引きの男の子に、お父さんは容赦なく
「よし、これ買お!これ買ってガチャガチャしよ!」
子「い や だ あ あ あ あ !!!!!(絶叫)」
こうして『楢山節考』は無事お買い上げいただき、男の子は希望どおりガチャガチャへ走ってゆきました。彼は帰りにもスタンプラリーを集めに来てくれ、なんだかんだでニコニコとイベントを楽しんでしたようで、よかったです。
男の子の力いっぱいのリアクションとそれをすいすい受け流すお父さんの掛け合いを思い出しては今でもにやにやしてしまいます。
それにつけても、深沢七郎はBOOKUOKAでも別府でも持って行った分だけ必ず全部売れてしまい、人気の高さを感じます。私も大好きなので、とってもうれしい。いい本だから惜しいけど誰かに読んでもらおう!という踏ん切りが深沢に関してはなかなかつけられず、今まで売ったタイトルも自分用に1冊は手元に置いています。